＜転勤する上司の歓送迎会＞
いろいろよくしてくださっていた直属の上司が、この春転勤になりました。その方を送り、新しい上司を迎える歓送迎会が催されることになったのです。
今までにも,職場では何人かの社員さんが転勤されました。そのたびに、たぶん歓送迎会は開かれていたのだと思います。そして、年末には、忘年会もたぶん開かれていたのでしょう。
たぶんというのは、これまで子供はそういう会に出席したことがないからなのです。
会のことは、職場で話題になったり、お知らせが貼ってあったりしているらしいですが、私の子供の場合は、帰りの時間が遅くなることを周囲の方たちが心配してくださって、誘われたことがなかったのでした。
ただ、子供は、自分も皆と一緒にそういう会には出たかったのでしょう。私が車で送り迎えするから、職場の人に自分は大丈夫だと言いなさいと言うと、それは出来ないとかなんとか、とたんに歯切れが悪くなるのでした。
でも今回は、宴会の日が近くなって来ると、どうしようかとかいろいろ悩んでいました。そして意を決して、「出てもいいですか」と聞きました。勿論イエスでした。
転勤する上司の方は、実は子供の実習の時からの人なのです。私も何度かお会いし、お話ししたこともあります。子供のことを気に掛けてくださり、有難く思っていました。子供は、そういう人の転勤だからなおのこと、会には出席したかったのだと思います。
前日には、職場のパートの方から、お店の地図と名前と電話番号が書かれた紙をもらって来ました。「どうやって来るの？」と聞かれたそうです。やっぱり、皆さんは、いろいろ心配してくださっていたのでした。
＜宴会当日までの道のり？＞
宴会に子供が一人で出るのは、初めてのことです。皆さんの仲間に入れていただけるのは嬉しいのですが、正直、親の方は、心配なことが結構ありました。
外食が好きな子供です。好きな食べ物はどんどん食べます。なので、一つ一つしてはいけないことを教えていきました。
例えば、
食べてばかりいないで、人の話を聞く。
美味しいからとか、自分の好物だからとかと言って、そればかり食べてはいけない。
大皿から取る時は、他の人の分まで考えて、あまりたくさん取らない。
お酒は飲まない。ジュースやウーロン茶を飲む。
話しかけられたら、「はい、いいえ」だけで受け答えせず、次につながっていくような答え方をしたり、相手の人に質問したりして、会話をする。
適当な時間で失礼する。あまり長居をしてはいけない。
など、家で食事をしながら、話しました。
＜さあ、宴会だー！＞
当日は、朝から入念に時間や行動の打ち合わせをしました。
○時に仕事から帰宅。すぐに着替える。少しお腹に食べ物を入れておく。最寄りの駐車場に車を入れて、私と一緒にお店の前まで行く。そこからは一人で行く。
全部の料理が終わって少し経ったら、失礼する旨伝えて、お店を出る。だいたい○時頃、お店の前に車で待っているので、そこまで出てくる。携帯を持ってきているので、何かの時は連絡をする。
ようし、これで、準備万端。いざ、しゅっぱーっつ。
それで、この日は結局どうなったかというと・・・全然打ち合わせ通りにはいきませんでした。
私は、１時間近く車の中で待っていたのです。
やっとお店から出てきた子供は、開口一番、「楽しかったあ！！」
聞けば、転勤する上司の方が「よく来てくれたね。」と言って、帰りは靴箱の所まで子供を送ってくれたそうです。また、周りの人たちからは、「もっと食べなさい。」と勧められたそうです。どおりで嬉しそうな顔のはずです。
＜宴会デビュー後日談＞
子供は、宴会の醍醐味を知ってしまった、みたいです。
今まで行っていたファミリーレストランでは飽き足らず、飲み屋というのでしょうか、お酒とおつまみを出すお店に行きたがります。
この頃は、そういうお店に家族で夕飯を兼ねて出かけて行くようになりました。私たちが何を飲もうか迷っている間に、気が付くと、子供はさっさとメニューを見て注文していました。
「すみませーん。鰹のたたきとー、いか焼きとー、フライドポテトを下さい。」
「はいよ！飲み物は？」
「オレンジジュースをお願いしまーす。」
