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成年後見制度 NO1 成年後見制度とは まずはおおまかな所

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成年後見制度については、何回かに分けて書いていきたいと思います。

私は現在、この制度の3類型(下記に出てきます)のひとつ、補助人になっています。補助人になる前には、勿論、いろいろ調べたり、裁判所に問い合わせたりしましたが、いまだにああそういことだったのかという案件が結構あります。なので、整理しながら、また言葉を選びながら、このブログを書いていこうと思っています。

<知的障害者と成年後見制度>                                    

成年後見制度とは、認知症を発症したり、知的障害や精神障害を持っていたりして、自分ひとりでは種々の適正な判断が出来なくなった人の契約行為等を、裁判所によって法的に認められた代理人が、本人に代わって契約行為などを行ったり、法律面から支援する制度です。

判断能力が不十分になってから利用する「法定後見」と、そうなった時に備えて、判断能力があるうちに自分で後見する人を選んで契約しておく「任意後見」という二つの制度があります。

知的障害の子供の場合は、すでに判断能力が不十分なので、前者の法定後見を利用することになります。

その人の判断力や理解力の有無、程度によって、後見、保佐、補助の3類型の名称があります。

一番障害が重くて全面的に支援を受ける人の場合が後見です。順番に保佐、一番軽い人の場合は、補助となります。

後見される人が被後見人、支援(後見)する人が後見人です。以下同様に、被保佐人と保佐人、被補助人と補助人という関係になります。

つまり、後見人が、一番その権限が大きいということになります。逆に言えば、被後見人が一番権利を制限されるということでもあります。

例として、被後見人になってしまうと、現行の法律では、その人は選挙権を失ってしまいます。後見されるほど判断力が無いとみなされ、選挙での適正な判断が出来ないだろうから選挙権は不必要、ということでしょうか?

それまで子供が持っていた選挙権が、被後見人になったため無くなり、選挙に行けないのは不当であると訴えている、知的障害者の親御さんがいました。以前、新聞やニュースで見聞きしたことがあります。

この制度が出来る前は、そういう判断能力がなくなってきて法律的に保護する必要がある人に対しては、禁治産とか準禁治産制度というのがありました。けれども、戸籍にそのような記載が出る点で、プライバシーの観点からも問題があることが以前より指摘されていました。

そういう時、介護保険(2000年年施行)が導入され、そのサービスを利用する場合、契約する必要が出来たことで、それまで案件だったこの成年後見制度を作るきっかけとなった一面もあるそうです。

したがって、この後見制度が施行されてからは、該当者が後見・保佐・補助されているということは、戸籍には記載されません。ただし、法務局管轄の、東京都で言えば、東京法務局民事行政部後見登録課には登録されています。なので、何か後見の証明書類(登記事項証明書と言う)が必要な時は、ここへ問い合わせをすれば、発行してもらえます。取りに行ってもいいですし、郵送でも取れますが、どちらにせよ、その際は、費用(収入印紙添付等)はかかります。

一方、知的障害者が利用する施設やサービスについても、従来の措置制度から契約制度(支援費制度2003年施行・後の障害者自立支援法)へ移行しました。つまり、施設やサービスを利用する場合、契約をするという行為が必要になりました。

知的障害者は、一般的に自分一人では契約行為は出来ません。自分の子供を見ていても、契約条項を読み、理解し、それが自分にとって必要か否か判断し、そして判を押すという行為は難しいです。

親がしっかりしている間は、親が代わって契約が出来ます。けれども、、親が老化などによって適切な判断が出来なくなった時とか、親亡き後などの場合を考えると、知的障害者にとっても、やはり成年後見制度が役立つようになってきた訳です。

また、この制度を利用していると、不本意な契約をしたとしても、無効になる場合もあります。

知的障害者が、自身の判断能力の不充分さにつけこまれて不利な契約をさせられたとしても、契約するという行為について、後見制度の代理権や同意権をつけておけば、本人一人でのその契約は認められない場合もあります。

契約行為も支援が必要ですが、自分の子供のことを思うと、それ以上に、お金の管理の支援が必要です。そういう場合も、この後見制度は、支援の方法の一つにはなっていると思います。

次のブログでは、同意権や代理権などを含む内容について、もう少し書いていきたいと思います。


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